■ 浴室の閉塞感をなくす窓と鏡のL字ライン 〈寒冷地のお風呂の開放感と安全性〉
『湖畔の家』は敷地内に桜の木があり、浴室からそれを眺められるように計画しました。
2階の浴室に桜や植栽方向を臨むことができる横長の窓を設け、その窓とL字になるようラインを揃えて、同じく横長の鏡を設置しています。これにより、鏡の中にも外の景色が映し出され、まるでL字の窓のように視界が広がり、浴室の閉塞感を解消してくれます。
さらに空間を広がりのあるものとするため、脱衣洗面所との間もガラス仕切りにして、窓の外まで目線が抜けるように設計しました。洗面所と浴室の鏡側の壁面にも同じタイルを使用し、空間に連続性を持たせています。
また、開放的で明るい空間にする一方で、この建物の所在地は盛岡で冬には-10℃になることもある寒冷な気候です。ヒートショックなどが起きないよう、しっかりと対策を行いました。
建物全体も断熱性能が高いですが、浴室のような薄着になる場所ですので、より一層万全となるよう浴室にも床下暖房を採用しています。浴室の湿気対策にもなるのでお手入れの負担の軽減にも役立つと思います。
面積以上の解放感を得ながら、冬場でも安全な浴室に仕上げました。
PHOTO: Atsushi Okuyama,Takashi Osugi + α