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岩瀬英志建築設計事務所

住まいをかたちづくるアイデアは、シンプルで力強く、プランニングだけでなく素材選びやディテールとも連動するよう心がけています。
それらが素直な心地よさにつながっていくのが、良い設計だと考えています。


住所: 神奈川県川崎市多摩区菅稲田堤2-5-10

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作品集

物件

■ 小網代の森の家

三浦半島の南端部、小網代の森を見下ろす高台の住宅。

小網代の森は小網代湾へと下っていく谷戸田が森林に還ったもので、敷地のある尾根から70haほどの谷状の森林とその先の湾が一望できます。

 

住宅の全体構成は、道路や隣家から森に面した庭のプライバシーを確保する事を第一に構成しました。すなわち道路に対して庭を包むように配置した平屋部分と、隣家からの視線を遮る二階部分から成ります。

開口部は道路側には最低限だけ設けたのに対し、庭側は大きく開いていて、庭と室内を連続させています。

平屋部分の約半分は土間の床で、納戸、ぶどう棚といった半土足・半屋外ゾーンとなっています。戸を引込むと完全に外気となり、庭と室内の中間的なスペースとなっています。

アプローチは道路から壁を貫通し、広めの土間を介して庭の先端のデッキまで来訪者を導きます。

PHOTO: Kai Nakamura

■ 馬込の家

PHOTO: Kai Nakamura

■ 若林の家

PHOTO: Kai Nakamura

■ 中野の家

PHOTO: Kai Nakamura

プロの住宅レシピ

プロの住宅レシピ

■ 心地よい外とのつながりと防火設備の調和

戸建ての魅力の1つに、外とのつながり方を選択できるという点があります。
インテリアの材料を良質なものにすることはマンションなどでも可能ですが、半屋外空間を設けたり、室内外が心地よくつながる設計ができるというのは戸建てならではの贅沢です。
その一方で、都市部の住宅の外とのつながりを考える際に避けられないのが防火・準防火地域の規制への対応です。防火窓などは美観に影響を与えてしまうことも多く、デザイン的に美しく基準も満たした快適な開口部をいかに設けるかということが重要な課題です。
『本郷の家』では、スチールサッシと網入りガラスの窓を備えた外壁に防火壁としての役割を持たせました。その内側に半屋外空間のテラスを設け、テラスに面した室内には木製サッシを採用しています。外壁が防火基準を満たしてくれるので、室内側は網入りガラスを採用する必要がなくなり、テラスを介して自然光が降り注ぐインテリアと調和した大きな窓が設けられました。
また、『若林の家』ではバルコニー部分の防火シャッターを上部の天井面に収めて存在感を消しています。外観の印象が「シャッターのある家」になったり、室内からの視界でもノイズになるのを避けるためにこのような工夫を行いました。

PHOTO:Kai Nakamura