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■ 構造をそのままデザインへ、三角形が美しい平屋の住まい

住まいの奥に広がる山の風景が住まいのモチーフとなり、自然と一体感が感じられるよう設計を行いました。
平屋の住まいは、天井の高低差を大きくすることで、空間にリズムと変化をもたせています。構造の登り梁を連続的に配置することで、空間の奥行きを強調し、自然と視線を奥へ誘います。リビングの特徴的な形態とも相まって、視覚的な広がりが生まれます。
そして戸建ての魅力のひとつは、敷地や庭があり、外との繋がりを感じられることです。内装がそのまま外に繋がるように設計することで、内と外が横断でき、実際の広さよりも広く感じられます。
各部屋の仕切りには引き戸を採用しているので、家全体をワンルームのようにも使えます。
また、この住まいが持つ特徴的な構造はあえて隠さず、そのまま見せることでインテリアデザインの一部として活かしました。
例えば、外壁で使う構造の基礎は、通常よりも高くする必要がありました。内壁の下部分に当たる基礎をモルタルで隠さず、ひとつのデザインとして採用。セメントと木質、 屋根材と異なる素材が同じ空間に入り混じることで生まれる絶妙なバランスを元に、これに合う色調やインテリアデザインを行っています。
空間全体はあえて作り込まず、DIYが趣味のお施主様が自分の手で住まいを育て、変化させていけるよう、住まいのフレーム造りを丁寧に行いました。
特徴的な形態から生まれる、「暮らしの豊かさ」を考えながら設計した住まいです。

Photo : 山内 紀人