２０年以上のおつきあいになります。
山林を自社で所有しており、植林から育林・伐採・プレカットに至るまでを一貫して手がけている会社で、自ら木を育てていることもあり、何といっても製品品質が優れていることが長くおつきあいしている最大の理由で、木を「魅せる」建築には欠かせない存在です。

新しい試みにも積極的に相談にのってくれます。「昔の床柱のような荒々しい雰囲気を出したい」や「自然の風合いを残した表面加工ができないか」といった設計者や施主の想いに「どうすればできるか」徹底的に考え抜いて真摯に向き合ってくれるので、数多くのプロジェクトでご協力いただきました。

植林から加工まで手がけているので、提供される製品の一つ一つにストーリーがあり、施主さんに「この木はこうして育てられて、ここにお嫁入りしてきたんですよ」と話してあげると、建物への愛着もひとしおになるようで、とても大切に使って頂けます。

自社で何でもできる大手企業ですが、地域の小さな製材所とも協働する仕組みを構築し、勉強会やセミナーを開催するなど木材業界全体のことを考えている、そんな企業姿勢にも共感しています。

国産材は一般的に通常高いのですが、山長商店は紀伊山地での植樹から木を育てて伐採→製材加工→プレカット→販売→発送手続きまで自社ワンオペレーションのため、余計なコストを徹底的に省いており、素晴らしい品質の材木なのにコスパが良い点が素晴らしい。
加えて、一貫生産なので近年のウッドショックや価格高騰の世の中にあっても供給態勢が安定しており、我々建築家の強い味方となっています。
紀州の山は非常に険しい地形で、そこで鍛えられて育った紀州材はとても強く、構造計算ができる構造材として使用できる質の良い木が揃っています。
江戸時代から続く老舗で優れた木材を扱っているのに加えて、山長商店の担当者はフットワークが良く、設計者の質問や要望、例えば紀州材以外の木材や集成材やＬＶＬの採用に対しても実にキメ細かく対応して頂けるので、本当に助かっています。