プロの住宅レシピ 陰影から生まれる、自然体を追求したリビング

山田誠一建築設計事務所
山田 誠一
照明

リビングが外に投げ出され、庭と繋がるよう設計することで、住まいが水平に広がる。

リビングの開口には木製建具を製作。窓を閉めもサッシが見えず庭の木がそのまま見える。

2階を通る煙突。ここからの放熱が2階の空気も温める。

空間に高低差を持たせることで、実際よりも広く感じる。

「理由はよくわからないけど素敵」と人が感覚的にキャッチする魅力を現代的に解釈し、取り入れた住まいです。例えば、自然素材を大事にし、どう用いるかなど、丁寧にセオリーに沿って作ることがこの住まいのテーマのひとつになっています。
その一つが「明かり」の使い方です。照明器具は最小限に抑え、空間全体を一様に明るくするのではなく、意図的に暗がりを残し、必要な場所だけに柔らかな光を灯します。これにより、光がある場所に自然と人が集まり、空間には奥行きと落ち着きを生み出します。リビングでは高さの異なる場所を設けることで、実際の天井高以上に広がりを感じさせます。
暗さと影が織りなす陰影は、住まいに温かみを添え、帰ってきたときにほっと落ち着けるような空間にしてくれます。そして、リビングに接続するように設けた暖炉から、リビングの壁面に暖かな陰影が映り込み、ゆったりとした安心感と情緒が漂います。自然と家族が火に集まり、火を囲む時間が生まれます。
必要な明かりは確保しながらも、過剰になりすぎず意図的におしゃれ空間を演出するよりも、シンプルでいかに自然体な空間であるか、そのバランスを大切にしました。
光と影、そして火が持つ自然な温もりを活かし、現代的な感覚や要素を感じながらも、どこか懐かしく心地よい空間となっています。

Photo : 川辺 明伸

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採用されている製品

照明|flame-フレイム-
flame
山田誠一建築設計事務所
山田 誠一
ここが私の評価ポイント!
こちらの照明は昔からよく採用しています。やはり素材感があり、この傘の部分はホーロー、真鍮など素材にこだわっています。今回の住まいのように 自然素材を大切にした空間にマッチしやすいものが多いです。さらに価格もさほど高くないので重宝しています。スタンドもよく採用します。
採用製品
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