プロの住宅レシピ 給湯システムで太陽の恩恵を目いっぱい生かすエコハウス

栗原 守
太陽光パネルというと発電システム(電気)を思い浮かべる方が多いと思いますが、じつは太陽光でお湯を沸かせるシステムもあります。太陽光を使って家じゅうのお湯をまかなうことができるうえ、発電システムに比べて熱交換率がずっと高いのが特長です。
私がよくご提案するのは、ノーリツの「スカイピア UFシリーズ」。屋根面に薄型の集熱パネルを設置し、その熱で沸かしたお湯を貯湯ユニットに貯める仕組みです。太陽光発電システムは自治体などの補助金を受けられるメリットがある反面、発電容量に制限があったり、停電時に電気を使うためには高額な蓄電池が必要になるなどのデメリットも。それに対して太陽熱利用給湯システムでは、熱効率の高い集熱器で太陽熱をしっかりと吸収し、湯切れの心配なくいつでもお湯を使えます。
キッチンや洗面室、浴室での湯沸かしは、暮らしのエネルギーの中でも大きな割合を占めています。そのエネルギーに太陽光を利用することでCO2削減に貢献でき、ご自宅のランニングコストの節約にも。
ノーリツのデータによると、CO2排出量もガス代も5割ほど削減できるそうです。
SDGsに関心がある方、自然エネルギーを活用した低炭素住宅を目指す方には、太陽光を電気だけでなく給湯にも活用できることを知り、エコハウスづくりに役立てていただけたらとご提案をしています。