プロの住宅レシピ ヒノキの黒壁でつくる、上質なダイニングキッチン

中村 和範
キッチンとリビングが南に開いた、マンションリノベーションの住まいです。
LDKをより広く快適にするため、以前は寝室だった一室を減らし、LDKの空間を豊かにすることを優先して計画を進めました。
キッチンは回遊できる設計で、家事動線を確保。キッチンやダイニングには収納を多く作ることで、快適に過ごせる空間を目指しました。
キッチンの壁には奈良産のヒノキ材を採用。木材を切った際、通常はやすりで滑らかに仕上げるところを、あえてノコ目を残しラフな風合いに仕上げた「ラフソーン」を採用しています。
ラフソーン仕上げのヒノキ材に黒に近い色で塗装することで、木の質感がより引き立ち、表情豊かになります。また、塗料のノリがよく、光の当たり方によって木目の凹凸が際立つため、大きな面積でも立体感が生まれ、空間に奥行きを与えます。
グレーのカーペットとヒノキの黒い壁を組み合わせ、モノトーンを基調とした空間にすることで、落ち着きのあるシックなLDKへと仕上げました。