プロの住宅レシピ 敷地の癖もスパイスに変えて。住まいこそ"外観"に価値あるデザインを

山縣洋
私が室内の設計と同じくらいこだわっているのは、敷地の生かし方と外観デザインです。敷地の条件は千差万別で、それぞれに異なる特徴がありますが、それは人間にとってのクセのようなもの。傾斜地や擁壁の上、住宅密集地など、一般的にはマイナスと思われる条件も、その土地のクセととらえて積極的に生かせば、かえって他にはないプランになります。
土地の特徴を活かすのも、ひいては外観へのこだわりが強い故です。
外観デザインを重視する理由は、個人の家であっても街の風景の一部になるから。オーナーだけでなく、近隣に住む人や通りがかりの人の目にも触れるのが外観です。その意味では公共性があるとも言えるほど、外観は地域や街にとって大切な要素。だからこそ、通りかかった人たちにとって「素敵だな、美しいな」と心をノックするようなデザインを心がけています。
土地の数だけその場所に見合ったアイデアが眠っています。住まいで様々な景色を創っていけたら、住み手以外の暮らしの豊かさにも波及していくと思うので、個性の強い土地ほど建築設計事務所を頼ってみてほしいですね。
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