プロの住宅レシピ 敷地の癖もスパイスに変えて。住まいこそ"外観"に価値あるデザインを

山縣洋建築設計事務所
山縣洋

土木と建築のスケールの狭間に住宅が挿入され、街並みにユーモラスなエッセンスが加わる。

斜面の傾斜に沿って建つ平屋。当初フラットに造成する予定のところを、あえてそのまま生かすプランを提案し外観の個性に。

窓は側面とトップライトのみ。密集地でも外からの視線を遮る要素を持たせつつ、立体的な変化や素材の表情も楽しい。

ボリュームを重ねることで、広大な土地にもしっかり存在感をあらわすことができる

高低差を活かし、見る場所によって違った角度に見える別荘

私が室内の設計と同じくらいこだわっているのは、敷地の生かし方と外観デザインです。敷地の条件は千差万別で、それぞれに異なる特徴がありますが、それは人間にとってのクセのようなもの。傾斜地や擁壁の上、住宅密集地など、一般的にはマイナスと思われる条件も、その土地のクセととらえて積極的に生かせば、かえって他にはないプランになります。 土地の特徴を活かすのも、ひいては外観へのこだわりが強い故です。

外観デザインを重視する理由は、個人の家であっても街の風景の一部になるから。オーナーだけでなく、近隣に住む人や通りがかりの人の目にも触れるのが外観です。その意味では公共性があるとも言えるほど、外観は地域や街にとって大切な要素。だからこそ、通りかかった人たちにとって「素敵だな、美しいな」と心をノックするようなデザインを心がけています。

土地の数だけその場所に見合ったアイデアが眠っています。住まいで様々な景色を創っていけたら、住み手以外の暮らしの豊かさにも波及していくと思うので、個性の強い土地ほど建築設計事務所を頼ってみてほしいですね。

(C) Forward Stroke Inc.

シェアする

採用されている製品

山縣洋建築設計事務所
山縣洋

他の家づくりのアイデア

プロの住宅レシピ カテゴリ