プロの住宅レシピ 木漏れ日と緑に暮らす、手仕事が息づく住まい

建築工房DADA
渡辺 恭兵

中庭の床には地元・秋保石を敷設。採掘場から選び抜いた自然石がラフで品のある足元を演出。植栽は年々成長し直射を遮って木漏れ日を生む。

床・壁・天井すべてを北海道産カラマツで統一した室内。座面に腰掛けると視線が自然と下がり、緑のゆらぎがすぐそばに。

意匠性と太陽光パネルの効率を両立した45°の屋根勾配が、建物全体の輪郭を際立たせる。 その軒下を通る木製の通路は、外と内をなだらかにつなぎ、連続する木のラインと照明の陰影が浮かび上がる。

階段上部に設けた天窓から光と風を導き、スノコ状の床を通して1階へ届く設計。断熱材には調湿性のあるウッドファイバーを採用し、木に包まれた空間に心地よい光と空気がゆっくりと巡る。

開口部からそっと顔を出すように枝葉がのぞき、自然が建築に“入り込む”よう設計。外壁には浮造りの焼杉を張り、大工仕事で完結する素材選定と経年変化を受け入れる外観の美しさが呼応している。

宮城県仙台市青葉区の住宅街に建つ、建築家ご自身が設計を手がけた4人家族ための自邸兼モデルルーム。

自然の中で暮らしたいという想いから、開口部には光と風とともに緑を迎え入れる設計が施されています。
自然への憧れと利便性のバランスを求め、都市にいながら自然を感じられる暮らしを自宅で実現しました。

設計では、南側道路に対して中庭を設け、内部に対して開かれた構成。周囲の視線を遮りながらも植栽の緑がそっと建築の内側に“入り込む”ような仕掛けが、外と内のあいだを自然に繋いでいます。
朝日が入る東側には高窓を、夕日の強い西側には低い開口を設けるなど、光の導き方にも細やかな調整が施されています。

中庭には屋根がかかり、緑の間を縫って差し込む木漏れ日がやわらかい陽だまりを作り出します。
過ごしやすい日にはプールやテントを広げて、家の中でアウトドアを楽しめる豊かな居場所です。

住まいの主空間となるのは2階。勾配45度の屋根と大開口により、光や風が上下に巡る高さ方向の広がりが印象的です。階段上部には天窓とスノコ状の床が設けられ、そこから柔らかな光が1階まで通る構成。

素材選びには、大工であるお義父様の手仕事が活きるように選ばれました。外壁の浮造り焼杉は経年変化を楽しめます。 床・壁・天井に使われた北海道産カラマツは、節ありの3cm厚大判材。
構造材と仕上材を兼ねる希少な選択で、住まいに力強くも素朴な質感を与えています。

1階には来客や親世帯を想定した空間も備え、ダウフロアによって庭との視線の高さを揃える工夫も。
住宅街にありながら自然の気配が日常に寄り添う、あたたかな住まいです。

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