プロの住宅レシピ 三世代をつなぐ、もうひとつのリビング「中庭」

岩本 愛
三世代が一緒に暮らす住まい。
おじい様が幼いころ住まわれていた、約240坪という広大な敷地は、今回の建築計画当時、空地になっていました。その広さをどう活用するかが大きなテーマでした。そこでこの住まいでは、敷地のゆとりを活かし、ビルトインガレージも備えた、のびのびと暮らせる平屋を計画しました。
まず、三世代はそれぞれのライフスタイルは活動の時間帯が異なるため、お互いにあまり気を遣わずに暮らせるよう配慮しました。
住まいの中心には大きなデッキの中庭を設け、個室やリビングが中庭を囲うように配置。中庭を介してどの部屋も南側に面するよう計画したことで、光と風が通る居心地のよい空間としました。
デッキの中庭を介してリビングと個室がシームレスにつながるので移動も便利です。
中庭は、おじい様が日向ぼっこをしたり、釣った魚を捌いて焼いて食べたりと、自由度の高い使い方ができる第二のリビングとして、暮らしに寄り添います。
また、段差を極力なくし、ケガのリスクにも最大限配慮しました。
三世代がそれぞれの時間を大切にしながらも、自然と集まれる中庭はこの平屋の大きな魅力です。