プロの住宅レシピ 素材の使い方で優しい光を取り入れる 光沢のあるタイルの縁側
水野 憲司
明るく風が抜ける大開口の家を創る際に、余計な熱は取り込まないように断熱を考える必要があります。写真の『東新井の家』の縁側もそんなことを意識しながら創りました。施主の要望もあり、作業やコミュニケーションの場となる広々とした縁側がある設計なのですが、日射しや雨から守るためひさしが深くなっています。これにより直射日光の熱などから室内を守れますが、それだけでは今度は室内が暗くなりがちという問題が生じます。そこで縁側の床に木ではなく、光を柔らかく反射するタイルを採用しました。これにより熱は遮りつつも優しい光を室内に届けることができます。加えて、窓も断熱性能の高いサッシを使用し、外壁にも断熱性能のある塗り材を使用して建物の断熱性を高くしました。タイルの縁側はウッドデッキ等と比較して手入れがしやすい点もメリットだと思います。このように、素材が持つ特性を活かすことで、光の入り方や室内の明るさを変えることも可能です。