プロの住宅レシピ 子も猫ものびのび暮らす、“機能を重ねる” マンションリノベ

小木野貴光アトリエ一級建築士事務所
小木野 貴光
フローリング

上段ベットとおもちゃ収納、小上がりと立体に重ねる事で、効率的ながら、ジャングルジムの様な子どもの遊び場のような空間に。

2.3mの低い天井の中に、収納とベットを立体的に重ねたデザインに。

用途を組み合わせたデザインで造作した本棚兼キャットタワー。最上段はキャットウォークにはスピーカーを置くことで日常に溶け込む。

回遊できるグレーのボックスは、リビングと和室に2つのアーチ状の入り口を設けている。

猫のための場所も設置。できる限りオーガニックな素材を採用し、木の温かみを感じる、やわらかな空間へと整えた。

猫と共に暮らすご家族のマンションリノベーションのお住まい。
制約のあるマンションだからこそ、ご家族の暮らし方に合わせた間取りをゼロから検討し、限られた空間の中でも「楽しく暮らす」ための工夫を凝らしました。
「一つのアクションで二つの機能が成立すること」を重視し、ロジカルでありながら遊び心を大切にしたいお施主様の思いを、デザインに反映しています。

まず、「機能を重ねる」「立体的に重ねる」ことで、狭さを楽しさに変えました。
ひとつのスペースに複数の機能をもたせることで、天井が低く、床面積も大きくない空間を立体的に活用しています。
例えば、ベッドと収納を重ねて配置することで省スペースに。和室は、昼は子どもの遊び場、夜は寝室として、役割を重ねることで時間によって違う使い方ができます。こうした「機能の重ね合わせ」が、暮らしやすさと楽しさへとつながります。

アーチ型の入口が特徴的なグレーの箱は、ぐるりと回遊できる設計で、スタディスペースからウォークインクローゼットへ、そして和室の小上がりへとつながります。
回遊動線を取り入れたことで、子どもも猫も家の中をぐるぐると走り回ることができ、限られた空間でありながらものびのびと過ごせます。 上段に設けたベッドから畳の小上がりへ飛び降りるなど、子どもたちの遊び方を想定したデザインで、家そのものが遊び場になる…そんな住まいです。

また、猫との暮らしにも「重ねる」という発想を取り入れています。
本棚でもありキャットタワーでもある造作家具は、用途を組み合わせたデザインに。棚の最上段はキャットウォークとして設えていますが、そこにスピーカーを置くことで、キャットウォークが日常の風景に自然と溶け込みます。

完成後、お施主様からは「想像していた通りの使い方ができている」との声をいただきました。
マンションでありながら、まるで遊具の中で暮らしているかのように、子どもも猫ものびのびと楽しめる住まいが実現しました。

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採用されている製品

無垢フローリング 複合フローリング|IOC (アイオーシー)
アイオーシー株式会社
小木野貴光アトリエ一級建築士事務所
小木野 貴光
ここが私の評価ポイント!
無垢材的な質感の良さと、床暖房を使用しても狂いの少ないフローリングとして採用しました。アッシュの木としての素材感が優しい雰囲気をつくってくれます。 アッシュ材の程よい固さが猫のツメで傷つきづらく、オイル塗装ゆえの滑りづらさが、猫と暮らす家としてバランスがとれています。
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小木野 貴光

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