プロの住宅レシピ 子も猫ものびのび暮らす、“機能を重ねる” マンションリノベ
猫と共に暮らすご家族のマンションリノベーションのお住まい。
制約のあるマンションだからこそ、ご家族の暮らし方に合わせた間取りをゼロから検討し、限られた空間の中でも「楽しく暮らす」ための工夫を凝らしました。
「一つのアクションで二つの機能が成立すること」を重視し、ロジカルでありながら遊び心を大切にしたいお施主様の思いを、デザインに反映しています。
まず、「機能を重ねる」「立体的に重ねる」ことで、狭さを楽しさに変えました。
ひとつのスペースに複数の機能をもたせることで、天井が低く、床面積も大きくない空間を立体的に活用しています。
例えば、ベッドと収納を重ねて配置することで省スペースに。和室は、昼は子どもの遊び場、夜は寝室として、役割を重ねることで時間によって違う使い方ができます。こうした「機能の重ね合わせ」が、暮らしやすさと楽しさへとつながります。
アーチ型の入口が特徴的なグレーの箱は、ぐるりと回遊できる設計で、スタディスペースからウォークインクローゼットへ、そして和室の小上がりへとつながります。
回遊動線を取り入れたことで、子どもも猫も家の中をぐるぐると走り回ることができ、限られた空間でありながらものびのびと過ごせます。
上段に設けたベッドから畳の小上がりへ飛び降りるなど、子どもたちの遊び方を想定したデザインで、家そのものが遊び場になる…そんな住まいです。
また、猫との暮らしにも「重ねる」という発想を取り入れています。
本棚でもありキャットタワーでもある造作家具は、用途を組み合わせたデザインに。棚の最上段はキャットウォークとして設えていますが、そこにスピーカーを置くことで、キャットウォークが日常の風景に自然と溶け込みます。
完成後、お施主様からは「想像していた通りの使い方ができている」との声をいただきました。
マンションでありながら、まるで遊具の中で暮らしているかのように、子どもも猫ものびのびと楽しめる住まいが実現しました。