プロの住宅レシピ 増築でつくる、居場所がつながるリビング
永江 光次
既存の建売住宅にリビングを増築した事例です。もともとの建売住宅は機能的ではあるものの、「居場所が少ない」と感じていたことから、リビングを拡張する形で増築を行いました。
重点を置いたのは、広い庭を活かし回遊性をつくること。
リビングからデッキテラスがつながり、そこから約60センチ下がった庭へと移動できます。庭をぐるりと回るとリビングに戻ってくる構成で、内と外が一体となり、住まい全体の回遊性を高めています。
さらに、隣家が両親の住まいということもあり、隣家と増築部分の間に庭を配置したことで、外でありながら囲われた中庭のようなプライベートな空間となっています。
室内では、多様な居場所が生まれるよう、立体的な空間づくりを意識し、高さの異なる2つのロフトを設けました。
一つ目のロフトは二階扱いでありながら、一階の床から約150センチと手の届く高さに設定。低い位置に設けることで、空間としての一体感が生まれます。このロフトスペースは在宅ワークや読書をする場所として、ご主人のお気に入りの場所です。
さらに上段に設けた二つ目のロフトは、お子さんが遊ぶお気に入りの場所に。将来的には独立した子ども部屋としても使えるよう、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる「余白」として計画しました。
増築したリビングは、約9坪とコンパクトながら、立体的かつ変化のある空間にすることで、単に空間を広げるだけでなく、それぞれのお気に入りの居場所を生み出すことができました。
Photo: 貝出 翔太郎