プロの住宅レシピ 分棟住宅で叶える、住宅地での開いた暮らし

鈴木雅也建築設計事務所
鈴木 雅也

離れから見る中庭と母屋。

左:離れから見た、中庭越しの母屋。  右:そっと屋根を架けただけのような居場所。風の通りを邪魔しない東屋が建っているような佇まい。

中庭の植栽は落葉樹を採用することで、季節の移ろいを暮らしの中に取り入れている。

ダイニングチェア

母屋から見た、中庭越しの離れ。

間仕切りの代わりに配置した家具には、床下エアコンやテレビが組み込むなど、設備機器が露出しないよう工夫。

敷地は公園に面した高台にあり、その立地条件を最大限に生かした住まいは、主屋と中庭、離れを南北方向につなぐ「分棟形式」によって構成しています。
駅に近く住宅が立ち並ぶ環境のなか、道路側に離れを設け、主屋を敷地の奥へ配置することで、プライバシーを確保しながらも、大きく開いた暮らしが実現しました。

この住まいで大切にしたのが「風を流す」こと。
高台という敷地環境から、気持ちのよい風が南北方向に流れます。その風の流れを遮らないよう、母屋の中庭側に面する大開口は全開できる木製建具を。公園側の開口には全開できるアルミサッシを採用し、住まいのなかを風が通り抜ける設計としました。風は、匂いや温度、音といったさまざまな知覚情報を室内に届けてくれるので、外で過ごしているような不思議な感覚が生まれます。

また、主屋と離れでは空間の性能や性格も異なります。
暮らしの中心になる主屋は、断熱性能を高めた重厚な空間に。床には無垢のフローリング、天井と壁には漆喰の小手塗りで仕上げ、反射する光のやわらかい質感を大切にしています。
リビングでは、敷地の高低差をそのまま生かしたスキップフロア構成で、実用性も兼ね備えます。
一方、離れはフレキシブルなスペースとして、木とガラスで構成した軽快でシンプルな空間としました。、将来的には地域に開いたコミュニティの場になったりと、時間とともに役割が変わっていくことを想定しています。
温熱環境や素材が異なる二つの建物が、中庭を介して一体となることで、暖かい場所、少し寒さを感じる場所、内のようで外の曖昧な場所など、多様な居場所を作り出します。

高気密・高断熱が主流となる中で、閉鎖的な建物になりがちですが、この住まいでは環境の違いが暮らしの刺激となり、四季の変化をそのまま感じられる現代的な住まいとなりました。

Photo: 鈴木研一

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家具|ハオアンドメイ(hao&mei)
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ここが私の評価ポイント!
時代に左右されない、普遍的なデザインのダイニングチェアです。 相談しながらオーダーメイドできるため、住まいやお客様のご要望に合わせた一脚をつくれる点も魅力のひとつです。
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