プロの住宅レシピ 石州瓦をアップデートした、異素材ミックスのモダンな住まい
桶川 容子
古く立派なお屋敷が並ぶ街並みと、新興住宅地の境界に建つこの住まいは、この土地ならではの赤茶色の 石州瓦 を主役にした、ご夫婦のための終の棲家です。
赤茶色が特徴の昔ながらの石州瓦は耐久性に優れ、雨や雪が多いこの地域には適した素材です。地域の特性を大切にしながら、伝統的な素材を現代的な感性で捉え直しています。
外観は石州瓦とガルバリウム鋼板を組み合わせ、異素材が引き立て合います。
石州瓦は釉薬によって金属のような独特の光り方を見せます。 その特徴に呼応し、引き立てるようにガルバリウム鋼板を組み合わせました。
時間帯によっては、ガルバリウムに瓦の赤茶色が映り込み、グラデーションが生まれるのもこの住まいの魅力です。異素材を組み合わせることで、それぞれの良さが引き立たせてくれます。
また、耐久性の高い瓦と、軽量なガルバリウム鋼板の組み合わせは、構造的にも合理的な計画です。
外観の要素を室内にもさりげなく取り入れています。
例えば、瓦の赤茶色をキッチンのニッチやレンジフードカバー、ダイニング照明のカバーに採用。外と中がリンクするデザインに。重要なアクセントとしてリンクされています。
一方で、木造瓦葺屋根の住まいにありがちな「和」の印象が強くなりすぎないよう、全体はミニマルでシンプルに。
そこにタイル、ガラス、テラゾー(人工大理石)など、さまざまな質感や光沢を持つ素材を組み合わせることで、豊かさを感じるモダンな空間となりました。
Photo : Koji FUJII / Yoshimi IKEMOTO / marutau aruqui