プロの住宅レシピ 準防火地域で、諦めない住まいづくり
三浦 正博
この住まいが建つエリアは、準防火地域に指定されています。
こうした地域では、「木の外壁は難しい」「大きな窓はつくれない」といった理由から、素材や開口部の計画を最初から諦めてしまうケースも少なくありません。
しかし、この住まいでは、そうした制約を前提にしながらも、工夫を重ねることで理想の空間を実現しました。
まず開口部では、準防火地域では難しいとされる、大開口を実現しました。
通常、準防火地域では使用できるサッシの種類やサイズ、断熱性能に制限があります。特に高性能な樹脂サッシは、防火仕様になると選択肢が限られ、大きな開口を設けることが難しくなります。また、防火ガラスとの組み合わせで性能を満たす必要があるため、コストも上がります。
そこで採用したのが、外側に防火シャッターを設ける方法です。バルコニー全体を覆う形でシャッターを設置することで、一般的な高性能樹脂サッシを使用しながら、規制をクリア。大きく開放的な窓で光をしっかり取り込めます。
外観についても、準防火地域だからと木材の外壁を諦めることはありませんでした。
この住まいの外壁には無垢の木を使用しています。国土交通大臣の認定を受けた外壁構成を採用し、決められた材料の組み合わせによって防火性能を確保しています。「大臣認定」の仕様を駆使することで、防火性能を満たしながらも、無垢材の質感を生かした外観が実現できます。
規制の内容を正しく理解し、適切な工法や認定仕様を組み合わせることで、選択肢は大きく広がります。
「準防火地域だから」と最初から選択肢から外すのではなく、まずは相談してみることをおすすめします。工夫を重ねることで、理想に近づく住まいづくりは十分に可能です。