プロの住宅レシピ 構造柱を生かした、人が集まるダイニングスペース
青木 真
この住まいの特徴のひとつが、玄関を入ってすぐに現れるダイニング空間です。1階はキッチンとダイニングを中心に構成され、友人や家族が自然と集まれる場所になっています。
料理が趣味のお施主様のために、1階は人が集まれるフロアとして計画。来客が多い暮らしを想定し、玄関からそのままダイニングとキッチンが広がる構成としました。
玄関を入るとダイニングの中心に姿を見せる大きな柱。
この柱は、2階の張り出しを支えるためにどうしても必要だった構造柱です。外部に設けると外観を損ねてしまうため、あえて室内に取り込み、生かすことを考えました。
そこで生まれたのが、柱に寄り添うダイニングテーブルです。柱の形に合わせて丸型にテーブルを造作し、紐で柱に固定することで自立します。どの方向にも椅子を置くことができるため、来客の際は大人数でテーブルを囲めます。暮らしの一部として取り込むことで、制約になりがちな柱が、暮らしを豊かにするアクセントへと変わりました。
他にも木の素材は、暮らしに合わせて後から手を加えられる柔軟さがあります。たとえば、壁に取り付けたハンガー用の木材は、冬は上着掛けとして使えます。使用しないときは空間に馴染み、邪魔になりません。
構造として必要な柱や木材が、日々の暮らしに必要なものとして自然に馴染み合う。そんなやさしい関係性が、この住まいの心地よさをつくり出しています。