プロの住宅レシピ 内窓でゆるやかに繋がる孤立しない洗面所
金谷 聡史
脱衣洗面所というとどうしても居住性のない閉鎖的な空間になりがちです。『モモの家』ではそんな水回りのイメージを払しょくし、居心地のよい明るい洗面所を作る工夫をおこないました。通常洗面台の正面には、鏡がくることが多いですが、ここでは正面に木製の内窓を設置しました。この窓の向こう側はリビングで、窓を通して様子がわかるので孤立感を感じません。また、この住宅では正面にテレビがあるので、ドライヤーをかけながらテレビを観ることもできます。扉に関しても、この場所を使うのは同性の家族のみということもあり、思い切って明るさを重視した木枠のガラス入り引き戸としました。とはいえある程度目隠しはしたいのでチェッカーガラスを採用しています。水回りはどうしても機能面のみを重視したり、生活感を見せないためということで切り離された場所になりがちですが、このように居住空間とつなげることで居心地の良さや明るさのある空間にすることができます。何を重視して、自分の生活スタイルにあった家を創るか、それを考える際の参考になれば幸いです。