プロの住宅レシピ 安定した光を採りこむ北側の天窓
若原一貴
私は設計する家のほとんどで天窓を採用しています。住宅密集地で窓から十分な明かりを取り込みにくかったり、目線が気になる場合などに光のための窓として天窓はとても有効です。
天窓、トップライトというと、雨漏りなどが不安という声を偶に聞くことがあります。しかしこれは全くの誤解で、おそらく製品として作られた天窓ではなく、昔の手作りのガラス天井で起こったことから生まれたイメージかと思います。しかも当時のガラス天井自体も雨漏りではなく、結露が起こりやすかったため(それも良くはないですが)そこから水が落ちてきたということが実際に起きた事象だったようです。私自身20年以上天窓を設計に採用していますが、雨漏りなどのトラブルは一度も起きていないので安心していただければと思います。
写真の『岡本の住宅』では北側のキッチンの吹き抜けに天窓を設けました。北側は直射日光ではなく安定した光が入るため設置箇所としておすすめです。光が届きにくい北側の部屋にも自然光が感じられ生活も快適になります。もちろん立地や構造により南側に天窓を設けることもあります。その場合は外付けブラインドをセットにして、日射しの調整ができるようにしています。今は断熱性能などの機能面も向上していますので、ぜひ自然光を感じられる天窓を取り入れてみてはいかがでしょうか。