プロの住宅レシピ 素材の重厚感を大切にしたキッチン
市井 洋右
この住宅は「鉄、コンクリート、木」と素材の塊感にこだわっています。キッチンも空間の雰囲気を守るため、素材の重厚感を大切にするために、細やかな気使いと工夫が詰まっています。
例えば、アイランドキッチンの腰壁や後ろのカウンターはコンクリートでつくりモルタルで仕上げることで重さのある印象を与えます。天板は掃除がしやすいよう人工大理石のものを採用しています。換気扇はコンパクトなものを採用し、冷蔵庫などの家事家電は右の収納庫に納めることでスッキリと。
内部の壁のコンクリートの打ちっぱなしはわざと荒く仕上げ、床板はより古い木材の印象になるよう、粗目の仕上げを更にブラッシングし、表面を荒立せることで木目を強調させました。テーブルも床板に合わせた木材と表面加工を施しているので、どこか懐かしく落ちつくキッチンダイニングとなりました。
キッチンの大きな窓からの光が、それぞれの素材の重みと質感をやさしく包むキッチンです。