プロの住宅レシピ 薪ストーブの給気口を見せないシンプルで穏やかな空間
伊原洋光+伊原みどり
『新城の住宅』では薪ストーブを採用しています。薪ストーブは燃焼効率を上げるため、外気を取り込む必要があります。そのための給気口は通常ストーブの背面に設置されることが多いのですが、今回は室内で配管が見えたり、背面にあたるバルコニーで給気口が目立って美観を損ねることを避けるため、ストーブの下に給気口の配管を設置しました。リビングの下がピロティなので、そこにある倉庫の中に給気口の配管をおろしていて外からは見えない状態になっています。
ちなみにこの住宅はRCのスラブなので2階でも薪ストーブの重量などの問題をクリアしています。また、ストーブの周囲はあえてコンクリートの表現をのぞかせてアクセントとしています。給気口などは必要なものですが、これらをデザインの邪魔をしないように工夫することで、空間の雰囲気を保つことに繋がります。
PHOTO: 小川重雄