プロの住宅レシピ デザインに調和 収納の端部に隠れた給気口
伊原洋光+伊原みどり
給気口は室内の換気のために必要不可欠なものですが、時として空間の中で悪目立ちしてしまう部分でもあります。『新城の住宅』では造作家具の収納のデザインの中に給気口を仕込むことにしました。写真1枚目奥のカウンターと左下の収納の間には空間が設けてあります。これはデザイン的なゆとりと、ちょっとした書類などを一時置きできるようにデザインされたものです。この空間を空気の通り道も兼ねたものにすることとしました。収納の中に外部の空気の給気口を設け、取り込んだ空気を収納の端部をガラリにすることでこのカウンター下の空間に流しています。これにより室内への空気の取り込みをデザインの中で浮かせずに行うことができるようになりました。
雰囲気を壊さず給気口を設置できる適切な場所があるケースであれば、ここまでこだわる必要はないかもしれませんが、こういったプランも可能であるという参考になればと思います。
PHOTO: 小川重雄