プロの住宅レシピ 玄関と事務所を「兼ねる」ことで生まれる 狭小住宅の新しい暮らし方、働き方
仲條 雪・横関 和也
狭小住宅のキーワードは「兼ねる」。
この住宅は、玄関と事務所を兼ねています。少し広めの玄関スペースだったため、右端を事務所として仕事が出来るよう、書斎スペースを作りました。靴箱も将来的には書類棚や事務用品収納など幅広く対応できるように造作しました。
床には、角のない丸タイルを採用することで、長時間仕事をしていてもストレスにならない柔らかい足触りになるようにしています。また玄関の段差や隅の角をRにすることで、優しくどことなくレトロな雰囲気になるよう仕上げました。
この住宅は玄関を入るとすぐにキッチンという間取りのため、大きな三枚扉を付けることで、来客時はキッチンの部分だけが隠せたり、仕事に集中したいときは全面締めることで個室のようにもなります。このキッチンも作業台や打ち合わせスペースとしても使えるようになっています。
昔の住宅の玄関は玄関の役割だけでなく、土間があり自転車など大きなものを入れられたり、ご近所さんが来てちょっとお話しが出来るスペースになったりと、自然と兼ねた使い方をしていました。現在の都市型住宅でもこの概念を生かし、特に狭小住宅こそ兼ねた使い方とアイデアで、心地の良い生活を実現出来ればと思います。