プロの住宅レシピ オリジナルガラリから吹き出す床下エアコン

稲山貴則建築設計事務所
稲山貴則
塗料

窓近くに見えるフローリングを丸く抜いた空間になじむオリジナルのガラリ

キッチンの足もとにもエアコンの風が届く

エアコン

手前右下の畳の小上がりの下(ルーバー部分)にエアコンが格納されている。

『TabHouse』は天井が高いので、効率よく人が生活する部分を快適な温度にするため床下にエアコンの空気を流し、床の至るところに設けたガラリから空気が吹き出すという設計にしました。いかにもガラリ(換気口)感が出すぎないように、フローリングを丸く抜いてインテリアや空間になじむオリジナルの物を作成しました。これにより窓辺に吹き出す温風で冬場のコールドドラフト(冬場に外の冷気が窓を伝って室内に流れ込み、足元が冷える現象)を防いだり、キッチンにもエアコンの快適な空気を届けることができます。
エアコンは特別な設備ではなく、床置きタイプの製品を小上がりの下に収める形で半分は床下、上半分はルーバーで目隠しした状態にしています。天井が高く広々とした空間で、高い位置にエアコンを設置して悪目立ちさせることなく、生活空間を効率よく快適にできるおすすめの工夫です。

PHOTO:鳥村鋼一

シェアする

採用されている製品

稲山貴則建築設計事務所
稲山貴則
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:ベンジャミンムーア Aura [ オーラ シリーズ ] エッグシェル(2~3分艶)
『TabHouse』の内装に採用しています。写真では黒っぽく見えている濃い色の部分はとても深い緑を使用しています。明るい壁の部分はグレーベージュで、いずれも2~3分程度の艶感のエッグシェルという艶を選択しました。ベンジャミンムーアは豊富な色だけでなく艶消し、2~3分艶、半艶と選択できるので、ちょっとした艶が欲しい箇所などに思い通りの質感が表現でき、とても優秀な製品です。
採用製品
空調|ハウジングエアコン
ダイキン工業株式会社
稲山貴則建築設計事務所
稲山貴則
ここが私の評価ポイント!
この床置きタイプのエアコンは昔から使っています。『TabHouse』は山梨県北杜市で冬の気候は比較的寒冷な地域ですが問題なく使えています。私が設計する家は天井が高い家が多く、人がいる場所より上に暖気が上がると効率が良くないので、このような床置きタイプを選択しています。また、高い位置の壁付けよりも目線・空間の邪魔にならないという点も大きいです。この機種は壁に半分埋め込みで設置することもできるので、別の家ではその手法で設置して、空間へのでっぱりを極力減らしています。床置きタイプは種類も多くはないので、このまま作り続けてほしいです。
採用製品
稲山貴則建築設計事務所
稲山貴則

他の家づくりのアイデア

プロの住宅レシピ カテゴリ