プロの住宅レシピ 空間を断ち切らない、開閉できる仕切り壁
三木 達郎・本橋 良介
『真鶴の改築住宅とアトリエ』では、普段は開放して1階と2階の空間をつなぎながら、空調を使うなど必要なときには閉じて効率よく使える可動式の仕切りを設けました。
この家は1階が落ち着いた軒の深いリビングで、反対に2階は開けた窓から外光が入る光だまりのような空間です。そこで2階の明かりが間接的に1階に入るように、2つの階をつなぐ開口部をデザインしました。2階からは1階の天井から外の地面まで見え、1階からは2階の窓の外が見えます。どちらの空間も両側の外と繋がっているのを感じられるようにと考えました。また開放時にはそれぞれの階に居るときも家族の気配を感じることもできます。一方、冷暖房を使うなど空間を仕切ったほうが効率的な時は、仕切りを上にスライドさせて開口部を閉じることができます。
PHOTO:中山保寛