プロの住宅レシピ 思わず帰りたくなる、和モダンの温かい玄関
出口 拓耶
こちらの中庭がメインの平屋住宅では、断熱性の観点から最低限の窓の設置が求められました。特に玄関部には窓がないので、閉鎖感を回避し、街に向かって明るく、住む人が帰ってきたくなるような温かみのある外観を追求しました。
外壁には緑みのあるグレーのアイカジョリパッド吹付塗装、テクスチャはミーティアを採用し、外観の質感と色味にこだわりました。
和のテイストを取り入れながらも、スタイリッシュでモダンすぎないようトータルバランスを重視し、足元には岐阜の石と石畳風のコンクリートを使用。白いセメントに岐阜の山砂を混ぜ、1枚ずつ外構屋さんが製作することで、やや古びた質感と落ち着いた色味になるよう調整しました。長く住み続けられるよう、普遍的な良さを感じられる外観を目指しました。
構造上必要な鉄骨柱にはインターホンと表札を製作し、その下にはドライフラワーが掛けられるようにしました。季節の花が来客を迎え、ちょっとした一年の変化を楽しめる玄関にもなりました。