プロの住宅レシピ 中庭を飾る、ピクチャーウィンドウが迎える玄関
出口 拓耶
中庭を望む玄関は、お施主様の最優先事項でした。
入口から中庭が写真のように美しく映し出されるよう、窓の枠を細くし、まるで額縁のようなピクチャーウィンドウとしました。
玄関から住宅に上がる1段目には殴り加工のクリの無垢フローリングを採用し、足触りから「家に入る」という感覚や気持ちの変化を演出しました。ここに配置された間接照明は、段差と木材の殴り加工の陰影を引き立て、特別な雰囲気を作り出しています。
玄関は斜めに切り取った台形型にすることで視覚的な効果を活かし、動線を考え空間をより広く感じられるデザインとしました。
また、玄関から続く廊下は広めに設け、玄関ホールと廊下の明確な境界をなくし、ワンルームのような雰囲気をつくることで、お子さんが遊んだり、窓際で中庭を眺めながらくつろいだりと廊下以外の用途が生まれています。
玄関から住まい全体が繋がり、機能的でありながらも居心地の良い空間となりました。