プロの住宅レシピ 二つの棟の「間の間(アイダノマ)」
東海林 健
ご家族には多くの来客があり、一緒に遊んだりくつろいだりする庭の整備が求められました。
畑に囲まれているために明確な境界がなく、風雨や視線に晒される広大な敷地に対応するために、敷地の両端に玄関棟と住居棟の二つの建物を配置。敷地を挟むように配置することで、土地を有効に活用しました。これにより、二つの棟の間には大きな遊び場やスポーツを楽しむ場、家族が自由に過ごす庭が生まれました。
玄関棟はテニスの壁打ちやサッカーのゴールとして使われ、庇下はアクティビティを支える道具置き場としても機能。居住棟から見ると、玄関棟は小さな住居棟を拡張したようにも見え、視覚的な広がりと心理的な安心感をもたらしてくれます。
全面開口からの大きな縁側は、室内外の活動をゆるりと繋げています。玄関戸は設置せず、縁側窓から出入りすることで、日常的に家と縁側、そして庭を結びつけるよう設計をしています。また、地面から浮かせて作った縁側は、住宅全体に軽やかな印象を与え、庭との調和をもたらします。