プロの住宅レシピ 存在感を消したトイレ
鎌松 亮
まるで壁のような仕上げで存在感を消したトイレです。
この『清澄長屋』は、来客も比較的多いため、3階の寝室や水回りなどのプライベート空間を通らず、下のフロア(1階玄関、2階LDK)で来訪者の行動が完結できるようにしたいと考えました。
そこでトイレを下のフロアにも設置し、大きなワンルームとなっている2階のLDKからそのままトイレに入る配置となりました。部屋の中でトイレの存在が主張するのは気持ちがよくないと考え、生まれたのがこの工夫です。写真1枚目のように、ドアと左右の壁部分の木材を等間隔に割り付け、天井部分まではふさがない形にして、一見ドアとは感じないようにデザインしました。合板仕上げの扉で、トイレスペースの垂れ壁部分にかぶさるので壁部分とドアが同じ見え方になります。
手洗い部分も外に出して、トイレ用だけでなく独立した手洗い場として使えるように設計しています。
PHOTO:Hiroki Kawata