プロの住宅レシピ 視線が通り抜ける室内空間
藤江 保高
『素地の家』では限られた空間をのびのびと感じてもらうため、視線が抜けるような場所を多く作ることを意識しました。
造作の棚の背や階段をオープンな形にしています。写真5枚目のロフト部分にも下の階のキッチンへとつながる室内窓を設けて、閉鎖的な場を極力なくしています。
コンパクトな家を大きく使い、家族のコミュニケーションが円滑にできる空間にすることを重視しました。
階段の段の高さを20cm、本棚を40cm、障子もそれに合わせるなどモジュールを揃えてデザインしています。
それぞれの方の暮らし方や、お子さんの年齢などにより、どこを開放的にして、どこを閉じるかという選択はそれぞれです。暮らす方と相談しながら、住まい手にとって一番心地よい空間をつくっていければと思います。
PHOTO:井上登