プロの住宅レシピ 愛着の湧く家 ~住む人の手仕事が活きた壁面~
宇治川 和樹・大園 未来
施主の方の性格や暮らし方が反映された、その人、その家族だけの家づくりをしたいと考えています。
家に愛着を持って暮らせるように、どこか一か所だけでも、塗装などの作業に参加してもらうなども積極的に行っています。仮にちょっと失敗したり、苦戦したようなエピソードがあってもそれが大切な思い出になると考えています。
『アサハウス』も施主の方にとって思いのこもった家になるように、テレビ裏の独特の風合いを持つ壁は、施主の方と塗装を行いました。理想の質感を探して様々な材料や塗料を試して、この鉄片入りの塗料と錆を出す酸化剤+錆止めを採用しました。施主の方と、塗料を塗って、酸化剤で錆を出し、理想の錆具合になったところで錆止めを塗って完成させました。鉄が入っているので少し塗料が固かったり、ちょうど良い錆具合を見極めるのが難しかったり、となかなか大変だった分、他にはない、ここに住む家族のための家ができたと思います。
PHOTO:amu photograph 吉田祥平