プロの住宅レシピ 朝日や夜空を感じる 空だけを切りぬいた2階の中庭
大塚新也
新幹線も通る線路近くの住宅街という立地で、騒音や近隣の視線を避けることを考えたコートハウス(中庭型住戸)『石橋の家』です。
2世帯住宅で、写真のように2階のLDKに囲まれる形で、フラットなRCの中庭が広がります。中庭の頭上にひらけた空には、余計な物が一切ありません。電線や街灯、隣家の屋根などが視界に入らないよう、事前にドローンを飛ばしたり、季節ごとの変化を写真に収めたりと、できる限りこの土地の情報を集め、自然だけを採りこめる空間に仕上げました。
中庭とリビングを設計するにあたり、実現したかったのは、カーテンのいらない暮らしです。朝陽や夕陽を感じ、夜は月をみてゆったりと過ごす、そんな場にしたいと考えました。
また、外からだけでなく、中庭の声も外に響きにくいので子どもたちが遊ぶときも心配が少ないですし、室内からも見守りができます。
植栽マットを採用することでRCの2階ながら緑も成長中の居心地の良い中庭です。