プロの住宅レシピ ハイ&ロー 自分の価値基準を見直すきっかけになる家づくり

北村直也建築設計事務所
北村直也

合板むき出しと塗装のシンプルな内装と存在感のあるキッチン。

キッチン ドアノブ

こだわりを持って選んだ上質なキッチン。奥のドアのノブも大切に選んだポイント。

照明

お気に入りのキッチン側から見る室内。ダイニングの照明はシンボリックなものを選択。

別角度から。

『幸田町の家』はいわゆるローコスト住宅と言われる建物ではありますが、家づくりの際に価格の安さを判断基準にして建てられた家ではありません。
なんでも安ければ、または、高ければよいというものではなく、自分にとって何が大切かということを施主の方と見直しながら一つずつ選び取って行きました。
内装は合板むきだしや塗装でシンプルな仕上げにし、ローコストの持つ作りこみすぎない面白さを活かしました。
その一方で、ドアノブなどはこだわって選んでいます。アルミで軽い素材の安いノブなどもありますが、毎日手が触れるドアノブはしっかりした重厚感のあるものを選ぶことで、日々の生活を大切にしている実感がもてると考えたからです。
また、施主の方の強い希望でキッチンはオールステンレスのグラッド45というものを選択しました。質に応じて価格はそれなりにしますが、使い勝手もとても良く、オールステンレスの存在感が空間にとてもマッチしています。「これでないとダメ」と施主の方が自分で選びとった大切なポイントです。
家づくりは、自分の暮らし方や価値観を見直すよいきっかけになると思います。

PHOTO: 太田拓実

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採用されている製品

キッチン|株式会社ミラタップ (旧 サンワカンパニー)
株式会社ミラタップ (旧 サンワカンパニー)
北村直也建築設計事務所
北村直也
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:グラッド45

『幸田町の住宅』の住宅でオールステンレスキッチンのグラッド45を採用しました。ローコスト住宅だったのですが、ただコストを下げたいというのではなく、住まう人が暮らしの中で大切にしたい部分にはきちんと良質の物を選択して、取り入れるという考え方でつくった家です。施主の方の希望もあり、このキッチンを選択しました。無駄をそぎ落としたデザインながら存在感があって、周囲の空間の合板むき出しの内装など、ローコストならではのシンプルな格好よさに非常によくマッチします。天板部分は傷が目立ちにくいバイブレーション加工を採用しました。使い勝手もよく価値のあるキッチンだと思います。
採用製品
建築用金物 |株式会社ユニオン
株式会社ユニオン
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北村直也
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:ドアノブ UK325-001

ユニオンさんのドアノブは重さがあり、しっかりとエッジが立っていて美しいです。毎日手に触れる物なので、こういったシンプルながらも重厚感のある良品を採用することで、日々の生活を大切にしているという感覚がもてると思います。
採用製品
AKARI | 株式会社オゼキ
株式会社オゼキ
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■採用製品:AKARI

『幸田町の住宅』では寝室などは飾り気のないシンプルな照明器具を採用していますが、ダイニングには1つ象徴的な照明を考えて、AKARIを採用しました。これはイサム・ノグチがデザインした岐阜提灯の製法で作られる照明です。製造しているオオゼキさんは私の出身地の企業で、その良さをよく知っていたので採用しました。
採用製品
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北村直也

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