プロの住宅レシピ 奥行きと時間の移り変わりを感じる、正方形のLDK
片山 正樹
2階全体が正方形のワンルームのLDKは、少々単調に見えがちでした。そこで、正方形の空間に斜め線を取り入れた設計をすることで視覚的な奥行きを作り、様々な角度から光を取り入れることで、空間に多様な表情が生まれるようにしました。
まず天井です。外観から見ると一般的な切妻屋根(きりずまやね)に見えますが、屋根の4分の1を90度回転させた形で作ることで、三角形のハイサイドライトを設け、様々な角度から室内に光を取り入れます。時間の移り変わりと共に変化する光の具合を室内で感じることができます。
LDKにはキッチン、ダイニング、リビング、畳スペースといったさまざまな居場所をつくることで変化を持たせました。キッチンは床を20センチ下げ、畳スペースとバルコニーは床を20センチ上げることで、さらに変化を感じる空間となっています。畳スペースの畳下は収納になっており、簡単に畳を外して収納ができます。
ワンルームながらもさまざまな居場所があるリビングには、各場所に工夫が詰まっています。
Photo : 西川公朗