プロの住宅レシピ 子どもがいても安全に暮らせる 光が行き渡るガラス使い
小川貴之
『VALE』は中層住宅地に立つ4層の細長い住宅で、どのように自然光を家の中に行き渡らせることができるかが、快適な住まいをつくる上での重要な課題でした。
そこで、建物の中央に4層の吹抜けをつくり、トップライトから下階に自然光を落とすことを考えました。各フロアの室内の手摺や間仕切りは、上部から取り込んだ自然光が広がるように、影の出にくい透明なガラスを採用しています。
「ガラス」と聞くと、割れたりして危ないのでは、子どもがいる家では採用が難しいのでは、と思う方もいるかもしれません。ただ驚くことに、今回使用した10mm厚の強化ガラスは、大手ガラスメーカーの試験において、子どもが勢いよくぶつかったり、大人が硬球を投げたりしても破損率は0%という安全性の高い強度を持っています。実は、『VALE』も小さな子どもたちとともに住む家です。手摺や間仕切りを透明な強化ガラスとしたことで、空間に広がりや奥行きが生まれ、子どもたちの姿や活動がよく見える生活になりました。
もし、家づくりの際にお子さんのことを考えると難しいのかなと思うような間取りやプランでも、様々なアイデアで解決できることがあります。まずはお気軽にご相談ください。
PHOTO: 太田拓実