プロの住宅レシピ 家族の居場所になる多目的な造作ソファ
宮﨑 洋・宮﨑 友紀子
家をつくる際に、居場所をつくるということを大切にしています。家族が心地よく集まる場や、ちょっと籠って落ち着けるようなスペースなどをそれぞれの家に設けています。
今回はその中でも、造作ソファで生み出す居場所をご紹介します。
『patina house』と『なじむ家』では、窓辺に屋外を感じて心地よく過ごせるソファを造作しました。現代版小上がりのような感覚で、座るだけでなく寝転んだり、子供が遊んだりと様々な過ごし方ができるようにゆったりとしたサイズに仕上げています。自然と集まり、思い思いの時間を送れる家族の居場所です。
造作家具の良さの一つに、空間を余すことなく使えるという点があります。家にジャストサイズなので大きめでも置き家具のようにデッドスペースが生まれず空間を使いきれ、視覚的にもスッキリします。
また写真2枚目の段差とつながるソファのように、ともに設計していくことで家具と建築の境界を無くし、床がテーブルになったり、ベンチになったりと家の中をフレキシブルに使えるようになります。
さらに多目的な使い方としてソファ自体に、収納を設けたり、引き出せるアイロン台を仕込むなどそれぞれの暮らし方に合った機能も持たせています。
PHOTO: Yousuke Harigane