プロの住宅レシピ 天窓の配置で広がる、光と景色の楽しみ方
井口 哲一
天窓は下から見上げて雲や青空を楽しむことが一般的ですが、この住まいでは2階の寝室からまっすぐ見える場所に天窓が位置します。
ここからは田畑や山々の美しい景色が広がり、まるで屋根裏部屋にいるかのような特別な感覚を味わえます。この特徴的な天窓とそこから望む風景は、急勾配の屋根により実現しました。
この住まいの寝室はキッチンの2階に位置し、リビングと吹抜で繋がります。引戸を開閉することで、リビングと寝室を区切りプライベートな空間を確保することも、一体化することも可能です。寝室には大きな窓はありませんが、リビングへの広がりと、天窓から自然光と景色が広がることで、開放感が得られます。
小さくても天窓があることで家中がとても明るく、時間によって変わる光の入り方、陰影の生まれ方、ユラユラ・キラキラと映る光りを日常で楽しんで頂いています。天窓の配置に配慮することで、閉じられた2階の寝室からも「田園風景が眺められる嬉しいプレゼント」だと喜んで頂きました。
Photo:佐武浩一