プロの住宅レシピ 街の風景を切り取り、街と共に暮らす リビングの窓設計
花本 大作
周囲にはさまざまな店舗や医院、集合住宅がひしめき合い、人通りも多い商店街。この住宅は、その街の活気と雑多な雰囲気を住空間に取り込み、この場所に住む意味が感じられる設計となっています。
特にリビングの大きな窓では、正面に大きな窓を設けてしまうと、向かい合う建物との距離が近く、室内が外から丸見えになることや、圧迫感を感じることがあります。そこで窓を斜めに配置することで、視界は一気に広がり、外からの視線もずれるので、プライバシーを守りながらもオープンな空間となります。
また、吹き抜けやさまざまなサイズの窓を計画的に配置することで、異なる位置から外の景色を楽しめます。リビングは一日を通してたっぷりと自然光が入り込み、街の異なる表情を感じながら立体的な生活ができる空間となっています。
Photo : 益永研司写真事務所