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村上康史建築設計事務所

私たちは建築を通して、心地よい地域社会をつくることをビジョンとしています。住まい手はもちろん、地域にとっても風通しのよい環境をデザインすることで、心豊かに過ごせるまちの風景を実現したいと考えています。


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作品集

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■ 鎌倉山の住宅Ⅱ

定年後のご夫婦が住まう終の棲家としての住宅です。既存の子世帯住宅に増築を行い、生活分離型の2世帯住宅へと再構成しました。
これまで多忙な日々を過ごしてきたクライアントにとって、住まいはもっぱら就寝の場に過ぎませんでした。その経験から、以前の住まいでは得られなかった光に満ちた空間を切望されていました。併せて車椅子での生活にも対応したバリアフリーな計画が必要とされました。

しかし敷地の歪な形状に加え、条例による壁面後退義務により増築できるのはわずか11坪の不整形な範囲に限られていました。加えて北側斜線による高さ制限、隣地との高低差による崖条例もかかる制約の厳しい敷地でした。こうした条件下において、クライアントの望む光と鎌倉山の豊かな緑を享受しながら静穏な老後を過ごせる住まいの在り方を探っていきました。

平面のアウトラインは不整形な敷地形状を反映した変則的な五角形としています。北側斜線による高さ制限をかわしつつ気積を最大化できるよう、切妻と方形を組み合わせた変形屋根を架け、その頂部を丸太の大黒柱で受ける傘状の架構を形成しました。

歪んだ五角形平面は多方向性と複数の隅角を生み、切妻と方形を組み合わせた変形屋根は高さ方向の転調をもたらします。こうした平面と屋根の掛け合わせから生じる多様な場の性質に応じて開口を配置することで、延床21坪という限られた空間に様々な光の相を取り込んでいます。

1階は水回りとダイニングキッチンを円環状に配置し、車いすの動線を簡潔なものとしています。南側には隣家が迫るものの、北側斜面の緑を取り込むキッチンの開口、東の路地に向けた吹抜のハイサイドライトにより、淡くやわらかな光で満たされる静謐な空間となりました。

屋根架構に包まれた2階は南側隣地との高低差を生かした大開口を設け鎌倉山の緑景を取り込んでいます。一方で、不整形平面と変形屋根により生まれる余白を利用して書斎やロフトを配し、大らかな空間とニッチな空間を同居させています。

こうして一見ネガティブに見える敷地の条件を、この住宅を形式づける要素へと読み替えることで、コンパクトな空間ながら変化に富むシーンが立ち上がりました。

 

写真:髙橋 菜生

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プロの住宅レシピ

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■ 鎌倉の緑景と呼応する──伸びやかに気配をつなぐ住まい

鎌倉市の高台に建つ4人家族のための住まい。鎌倉の自然を感じながら暮らしたいという思いからこの土地が選ばれました。人当たりの柔らかなご夫婦は、ご近所付き合いの多い地域にも自然に溶け込んでいます。

住まいづくりのご要望は、白を基調としたシンプルさと自然素材を部分的に取り入れること。ホテルのような生活感のない空間を好み、暮らしの道具はすっきり収めたい──そんな思いをもとに設計が始まりました。

高台ゆえに眺望を望む一方で、周囲の住宅との視線が重ならないよう開口の位置や高さを繊細に調整。屋根の勾配を活かした天井は極力シンプルに保ち、照明は壁付けで間接的に光を広げています。

キッチンにはオーク材を用いた造作収納を設け、エアコンを棚の収納に組み込んでいます。ポイントを黒色で仕上げることで空間を引き締めています。

TVの向かい側にあるワンタッチの収納には配線や機器が収まっており、生活感を抑えながら構造と調和させる工夫が施されています。

安全面では階段に小さなスライド扉を設け、お子さんの成長に配慮。細やかな気遣いが組み込まれた仕掛けが日常に安心感を与えます。

1Fの水回りの近くに配した子供部屋は、洗濯物を畳むスペースにもなり、家事の合間にお子さんを見守れる計画です。将来的にセカンドリビングや縁側に転用できる柔軟性もあります。

外観は白い壁にアクセントとなるピーラー材の大きな扉が特徴。玄関前の通りは限られた住人だけが行き交い、プライバシーを守りながら地域に溶け込んでいます。扉を開放すれば、土間空間を通じて裏の庭にまで視線が抜けるので、お子さんが存分に遊べる環境が広がります。

完成後の暮らしは狙い通りの眺望に恵まれ、風や鳥の声に包まれる日常。エアコンに頼らず過ごせる心地よさや、TVをつけなくても満ち足りる時間。鎌倉の自然と響き合うこの住まいは、家族の伸びやかな日常をやさしく支えています。

Photo:髙橋 菜生

■ 屋外のような開放感 トップライトとグレーチング階段

『新森の住宅』は大阪市内の住宅密集地という立地で、採光や...