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柳瀬真澄建築設計工房

何十年経っても心地よく暮らせる家づくりを意識し設計を行なっています。設計事務所は敷居が高いと思われがちですが、そんなことはありません。施主様のニーズを丁寧に伺い個性あるご提案をしていきます。


住所: 福岡県福岡市中央区桜坂1-8-3ホッホバウム桜坂002号

TEL : 092-761-8003
E-mail :light-m@yanase-arc.com
URL : http://www.yanase-arc.com/

作品集

物件

■ 別府の家

敷地は別府市中心部、西側は新設された大通りに面し、周辺は新旧の建物が混在するもののかつての面影も残す環境である。クライアントは、リモートでの仕事が可能なこともあり、温泉と海と山の自然に恵まれた別府での暮らしを選択してのUターンであった。

昭和初期に建てられ、増改築を重ねた母屋のうち、座敷二間及びその前の庭木を撤去しての計画である。
交通量の多い道路からの騒音とプライバシーを守りつつ、既存母屋と適度に向き合うよう、仕事部屋と住宅棟をL型に配した。広いデッキにはパーゴラを設け、それらを囲むようにふんだんに植栽を施し、敷地内にさらに新たなコートハウス的な構成となるよう図った。住宅棟、仕事部屋、パーゴラが、適度な間合いと密度を保つことによって、様々に移りゆく自然を感じる心地良い暮らしの場をイメージした。
また両親の住む母屋との関係を考慮しつつ、可能な限り建築前の趣を残すよう配慮し、新しくも懐かしい空間を保っている。

住宅棟は、仕事部屋の片流れの屋根と一続きとし、南庭側を1.5階分の天井高さのLDK、北側を水回り、階段、個室とした。各空間は庭との繋がりを活かしつつ、吹抜・格子・トップライトの光を介して親密で柔らかな関係となるよう意図した。
仕事部屋、住宅棟とも、内部は漆喰と木質、外部はシラス壁仕上げとし、その場に応じたナチュラルで優しい空間となっている。

 

PHOTO: Blitz studio

■ 秋月の家

秋月は武家屋敷跡、町家建築等が周囲の豊かな自然・田園風景...

■ 尾ノ上の家

敷地は、市中心部より僅かに離れた住宅地。隣地には、東にア...

■ 茶山の家

敷地は閑静な住宅地。シニア夫婦が、かつて家族と共に住み慣...

プロの住宅レシピ

プロの住宅レシピ

■ 見せつつ隠す 光と風を操る格子

日本の建築は、部屋同士のつながりや内と外のつながりなどを大切にしており、ヨーロッパの建築に比べて良い意味でのルーズさを持っています。開くか閉じるかの2択ではなく、京都の千本格子のように、角度や光の加減によって見えたり見えなかったりという、半分閉じて半分開くような造りが随所に見られます。この良さを現代の住宅にも活かして設計を行っています。
『別府の家』では、建具に格子を採用しています。格子にはガラスを嵌めている箇所と嵌めていない箇所があり、温熱や音の届き方などを考えて選択しています。効率的な空気の流れを考え、格子の一部だけガラスを抜くこともあります。この方法ですとデザインを犠牲にせず空気の抜け道をつくることができます。
『尾ノ上の家』の主室では北庭に連なる階段室側には格子、南庭側にはすだれを仕込んだ建具を採用しています。直接的な視線は遮りながら、自然光や植栽の影の移り変わりを室内で感じられます。
『koto house』の場合は格子の塀を設け、先述の千本格子のように角度や内外の明暗差で適度に視線をかわし、外部に対して閉じつつ開くということを実現しています。
光自体は直接見ることができませんが、ものにあたって影ができることで見えるようになります。格子を用いると太さや隙間の違いで様々な表情を生み出しながら、光や風を感じられます。

PHOTO: Blitz studio