プロの住宅レシピ 南の光を取り入れる、斜め45度の外観デザイン
高山 佳久
新しい住まいでお施主様が強く望まれていたのは、「南側からの光をしっかりと取り入れたい」ということでした。
しかし、敷地は東側に道路が走り、細長い形状を二分割したの片側。南側には、将来的に建物の大きな壁が立ち上がる可能性も考えられたことから、素直に南面を開くだけでは充分な採光が得られないことが予想されました。
そこで、「外壁を南西方向に45度カットし、南に向く面積を最大限に広げる」という設計で、南側からの光を確保。狭い三角形の部分から徐々に広がっていく形状を利用することで、南側の光を効率よく取り込めるようにしました。さらに斜めの外壁によって奥行きの変化も生まれます。
また、重さを軽減するために、屋根も斜めにカットしたようなデザインに。
当初の計画では、立面は四角い形状でしたが、重たい印象になるため、屋根も外壁と同様に斜めにカット。これにより、視線の抜けが生まれ、光や風が建物を回り込むように動き、外観に軽やかさが生まれました。
Photo:笹倉洋平