プロの住宅レシピ 「見せながら隠す」共有配管をデザインに変えるマンションリノベ

Lenz Design
岡﨑 絢・金沢 将

寝室はキッチン横のウォークインクローゼット内に配置。枕棚を設けてちょっとしたお昼寝ができる「もうひとつの寝床」を設置。

廊下を一部共有スペースに変更し、様々な居場所を設けている。

シルバーの柱は空間のアクセントになりながら、ベランダから取り入れた光を反射して住まい全体を明るくしてくれる。

お施主様がご希望されたグレーの床をベースにアクセントにグリーンを。エントランスはお客様を温かく迎えるオレンジカラーをチョイス。

あえて色を付けたことで、パイプスペースがオブジェのような存在に。

ご家族が増えたことをきっかけに始まった、マンションのリノベーション。
廊下の構成や個室の数を見直すことで、個室を増やしながらも、廊下の一部を共用のワークスペースとして活用し、「廊下+α」の家族のためのスペースを設けました。
コンパクトな住まいの中でも、広がりや暮らしの充実感をしっかりと感じられる住まいになったことが、大きなポイントです。

マンションリノベーションでは、共有配管をどのように空間の中に納めるかが、ひとつの課題となります。
今回の住まいでは、アール状の天井やシルバーの壁を、配管を納めるパイプスペースとして計画。無理のないプランとしながら、生活の中で「見せながら隠す」デザインとしました。
一般的にパイプスペースは、壁を厚くし天井を低くしてしまうため、「リビングを狭くする厄介な存在」と捉えられがちです。
広いリビングを確保するためにできるだけコンパクトにまとめる工夫は必要ですが、マンションの配管は、昔の家でいう大黒柱のようなもの。マンションの暮らしを支える、とても大切な存在でもあります。だからこそ、配管スペースを単に厄介なものとして扱うのではなく、真摯に向き合い、デザインとして昇華させたいと考えました。ものの見方を変えることで、パイプスペースは空間を豊かにする要素となり、暮らしの中に置かれたオブジェのような存在へと変わります。

実際に現場で配管スペースを開けてみると、想定以上の配管が現れましたが、想定していたパイプスペースと同様に、オレンジグリーンやシルバーといった色のある仕上げを施しました。白く隠すのではなく、あえて色をつけて存在を際立たせることで、オブジェのようなアクセントとなり、住まいに可愛らしさが加わりました。
このように、「隠さなければならないもの」が、「愛着の持てる場所」へと変わっていきます。

ネガティブに捉えがちな要素も、分解して紐解き、別のレンズで見つめ直すことで、魅力や価値へと変わります。
「レンズを少し変えることで、その先の豊かな暮らしを後押しできる」これこそが、リノベーションの大きな魅力だと感じさせてくれる住まいです。

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岡﨑 絢・金沢 将

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