プロの住宅レシピ 間(あわい)がつくる、家族のつながりと個の時間

ユウ建築設計室
吉田 祐介

「あわいの家」とよぶ住まいは名前の通り、「向かい合うもののあいだ」「二つのものの関係」を大切にしている。

住宅地という敷地環境を踏まえ、外からの視線にも配慮。リビングの勾配天井の一番高い位置に窓を設け、プライバシーを守りながら光を室内に取り込んでいる。

それぞれの時間を大切にできる居場所を点在させている。

階段の踊り場をスタディーコーナーに。壁は一面の壁面収納。

天井の高さや小上がりなど、高低差を付けることで、それぞれの場所性格や機能を緩やかに分けている。

あわいの家」と呼ばれるこの住まいは、どこにいても家族の気配を感じられる一方で、同じ空間にいながらそれぞれの居場所があり、個人の時間も大切にできる。そんな離れすぎず、近すぎない距離感のある住まいを望まれていました。
家族はそれぞれ生活リズムが異なるため、家族のつながりを保ちながら、適度な距離感をどう空間でつくるかを軸に住まいを計画しました。

例えば、家事をしながら子どもの勉強の様子が自然と目に入る距離感。一方で、子どもたちが本を読んだり、一人で集中したりできる距離も大切です。個室に籠るのではなく、同じ空間にいながらも、自分の時間を持てるようにしています。

敷地は決して広くないことから、壁で細かく仕切るのではなく、スキップフロアや小上がりで高低差を持たせることで、役割を緩やかに分けています。さらに、備え付けのスタディコーナーやベンチを設けることで、居場所を点在させました。

空間を無駄なく使うために、壁を壁面収納にしたり、階段の踊り場をスタディコーナーとして活用したりと、住まい全体を効率よく使える工夫をしています。

内装は、お施主のこだわりが光ります。
壁はすべて塗装仕上げとし、淡いトーンで統一しました。光の入り方によって生まれる陰影により、壁の色が時間帯によって異なる表情を見せ、住まいに豊かさを与えてくれます。
壁は淡い色で仕上げた分、手すりなどのスチール部分は白く塗装することで、全体を引き締めています。

「家族がゆるやかにつながる家」という曖昧だったイメージも、打ち合わせを重ねる中で少しずつ具体像が見えてきて、住まいを形にしていく過程そのものを楽しめた、という声をいただきました。
家づくりの過程と、これから育む暮らしのどちらも楽しみになる住まいとなりました。

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