プロの住宅レシピ 間(あわい)がつくる、家族のつながりと個の時間
「間の家」と呼ばれるこの住まいは、どこにいても家族の気配を感じられる一方で、同じ空間にいながらそれぞれの居場所があり、個人の時間も大切にできる。そんな離れすぎず、近すぎない距離感のある住まいを望まれていました。
家族はそれぞれ生活リズムが異なるため、家族のつながりを保ちながら、適度な距離感をどう空間でつくるかを軸に住まいを計画しました。
例えば、家事をしながら子どもの勉強の様子が自然と目に入る距離感。一方で、子どもたちが本を読んだり、一人で集中したりできる距離も大切です。個室に籠るのではなく、同じ空間にいながらも、自分の時間を持てるようにしています。
敷地は決して広くないことから、壁で細かく仕切るのではなく、スキップフロアや小上がりで高低差を持たせることで、役割を緩やかに分けています。さらに、備え付けのスタディコーナーやベンチを設けることで、居場所を点在させました。
空間を無駄なく使うために、壁を壁面収納にしたり、階段の踊り場をスタディコーナーとして活用したりと、住まい全体を効率よく使える工夫をしています。
内装は、お施主のこだわりが光ります。
壁はすべて塗装仕上げとし、淡いトーンで統一しました。光の入り方によって生まれる陰影により、壁の色が時間帯によって異なる表情を見せ、住まいに豊かさを与えてくれます。
壁は淡い色で仕上げた分、手すりなどのスチール部分は白く塗装することで、全体を引き締めています。
「家族がゆるやかにつながる家」という曖昧だったイメージも、打ち合わせを重ねる中で少しずつ具体像が見えてきて、住まいを形にしていく過程そのものを楽しめた、という声をいただきました。
家づくりの過程と、これから育む暮らしのどちらも楽しみになる住まいとなりました。