プロの住宅レシピ 必要な要素を取捨選択 ダイニングテーブル一体型キッチン
岸本将太
『大正の家』は2世帯住宅で、共有スペースなども考えると、親世帯の床面積に対して求められる要素はやや多めでした。
そこで本当に必要なものは何なのかを見極めて設計する必要がありました。LDKに割けるスペースを考えたときに、ダイニングテーブルセットを設置するとソファなどを置くリビングスペースがかなり窮屈になることが考えられました。そこで思いきってこのキッチンとダイニングテーブルを一体化した形を考案しました。セラミック製のキッチンカウンターの天板をそのまま広げてテーブルとしての役割も持たせ、他の場所に住む子供たちが帰省した際にも対応できる席数を確保しています。これによりリビングのスペースがしっかり確保でき、くつろげる空間が広くなりました。
このように既成概念を取り払って、必要な物の取捨選択をしたうえで設計することで同じ面積でも暮らしやすさをアップさせることも可能です。
PHOTO: 笹の倉舎