プロの住宅レシピ 壁を増やさず緩やかに空間を切り替えた家
岸本将太
『白浜町の家』は敷地内に高低差があり、その環境を建物に取り込んで活かすこととしました。この建物の前は美しい海で、その眺望を活かしたいのと別荘という性質を考えて、細かく壁で仕切るのではなく、敷地の高低差を活かして段差をつけることで緩やかに空間を仕切っていく方法を取りました。あまりにも広いワンルームのような形になるとかえって落ち着かない空間になってしまうので、段差で変化をつけていくことでシーンを切り替えています。段差の部分にはちょっと腰かけたりもできるように意図しました。他にもはしごでのぼる部屋など少し視線をずらした空間も作っています。
玄関から建物の奥にほど敷地に沿って床の高さが上がっていくので、寝室などのプライベート感が強い空間を奥に配置し、天井高が抑えられた落ち着く空間をつくっています。
PHOTO: 笹の倉舎