プロの住宅レシピ 梁を活かして『梁感』を消す、柔らかな間接照明
小川 純一
明るさの感覚は人によって違うので、特にLDKには必ず調光機能のある照明を採用することにしています。
『江古田の家』はマンションリノベーションなのですが、LDK全体を均一に照らす明るすぎる照明ではなく、最低限の箇所に絞ってスポット照明を設置して陰影のある空間作りを行いました。その中で明るさを十分に採れる照明として、この既存の梁を活かした間接照明を設計しました。この照明も調光機能を備えています。梁全体を照明と一体にすることによって、室内を走る梁の存在感を消し、デザインの一部に落とし込んでいます。
マンションリノベーションはこれからも増えていくと思うのですが、一見ネックに感じられるような構造上変えられない部分も、うまく活かしながら魅力的な空間をつくることは可能です。