プロの住宅レシピ 空間を効果的に切り替える、DINKSの住まいの吊りソファ

畝森泰行建築設計事務所
畝森泰行

天井から吊ったソファ

階段を上がった時の目線。ソファの足がないので目線が抜けて圧迫感がない。

ソファ部分の天井高は1.9mだが写真手前のダイニングテーブル側は天井高4.7mの空間が広がる。

ソファからダイニングテーブル側を見る

この住宅はご夫婦ふたりの住まいで、小さくても広がりを感じられる居心地の良い住宅を希望されました。
そこで延床面積51㎡のミニマムな住宅の中でも、くつろぎの場や仕事に集中できる場など、気持ちが切り替わるように空間を分けることを意識しました。
施主の方のご意向も踏まえて、思い切って切り捨てる所や譲れないポイントなどを決めてゆき、天井の高さも、ひとつの空間のなかに1.9mの箇所があれば4.7mの箇所もあるというように大胆に変えました。その中で天井高1.9mの部分に設置したのが吊りソファです。ゆったりとした大型ソファを置くのではなく、ソファの座面を天井の梁から華奢な吊り材で吊っていて、床に太い脚の部分がないので圧迫感がありません。また、階段を上がったときの目線も抜けます。左右に吊り材が下りることで、天井の低さがむしろむしろ囲まれている安心感となり居場所になるということも意識しました。
このように大人2人など暮らし方がはっきりしている場合には必要なものの取捨選択が心地よい家を生み出すこともあります。

PHOTO: 中村絵

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