プロの住宅レシピ 実用とデザインを兼ねた空間に浮かびあがるレンジフード
高橋翔太朗
この『和木の平屋』は高さのある勾配天井で天井面が現しの造りになっています。
お施主様からレンジフードの指定があり、設置する際に、天井迄届くようなこれ以上長い既製品のレンジフードはありませんでした。しかし、天井だけで吊りボルトを支持すると揺れてしまうという懸念や、吊りボルトが見えてしまうことに違和感がありました。そこでレンジフードを取り付けるために天井の斜め材と同素材でレンジフードをつなぐための木材の筒を設け、補強とデザインを両立させました。
さらにキッチンの塗装も木部の色を天井やレンジフードをつなぐ筒部分と揃え、ステンレスのレンジフードだけがキッチンの空間に浮いているかのようなデザインにしました。設置のための実用性とデザインの遊び心を兼ねた工夫です。
PHOTO:岡田泰治