プロの住宅レシピ 光が抜ける家

プラスマイズミアーキテクト
真泉洋介

大きな開口部から採りこんだ光が家の中を巡る

木材 リノリウム

窓のサッシと柱の間にも光が通る隙間が

テーブルとつながる照明付きの仕切り家具と柱の間にも光が通る隙間が仕込まれている

写真右上の照明部分の壁はくり抜かれており、浴室と隣の部屋をつなぐ隙間になっている

黄色の壁は天井までにはせず圧迫感をなくし、光が通る。床もすのこで一階が見える隙間がある。

『葉山の住宅』では、光の通り道となる隙間が家のあちらこちらに仕込んであります。
例えば、窓周りも構造体である柱とサッシを離して設計しています。普段はあまり意識されることがないマニアックな部分かもしれませんが、通常、構造体が家の内部と外部の仕切りになっていて窓は柱など構造部分と一体化していることが多いです。この家では写真1枚目右端のようにサッシと柱を分離させて隙間を作ることで、ロールスクリーンを下ろしてもその部分を光が通り抜けるようにしています。
写真3枚目の右端の柱と造作の仕切り家具(黒い照明器具がついたもの)の間にも隙間をつくり、光が通るようにしています。
他にもすのこなど隙間を生む工夫を家の随所に配置し、光が家の中をめぐり、それぞれの空間を断絶させないようにしています。

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採用されている製品

合板|共栄木材
株式会社 共栄木材
プラスマイズミアーキテクト
真泉洋介
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:アピトン合板

愛媛の共栄木材さんのアピトン合板を天井や壁の内装に使用しています。オイル塗装すると濡れ色になり、暖かい赤みがでてきれいです。ラワンなどの合板は赤いところと白いところの差が大きかったりするのですがアピトンは色ムラが少ないところが優れています。以前にも採用したことがあり、きれいな仕上がりだったので『葉山の住宅』でも採用しました。色味などが印象的なようで、建築家など同業の方からも媒体に掲載された写真を見て素材の問い合わせを受けたこともあります。
採用製品
マーモリウム|フォルボ・フロアリングB.V.
フォルボ・フロアリングB.V. 日本支店
プラスマイズミアーキテクト
真泉洋介
ここが私の評価ポイント!
■採用製品:マーモリウム

マーモリウム・マーブルの3266 lilac(ライラック)を採用しました。『葉山の住宅』では色を大事にした家づくりをしており、床と階段の一部に使用しています。フローリング以外にも色んな床を使いたいと考えていて、天然素材のものを探してマーモリウムを選択しました。発色の良さなどから一見化学合成された物のように見えますが、亜麻仁油などの天然素材で作られていて、ライラックの色に関しても花などの色素からできた顔料で作られているものです。紫色の建材というものは意外と少なく、とてもきれいな色合いのマーモリウムはおすすめです。
採用製品
プラスマイズミアーキテクト
真泉洋介

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