プロの住宅レシピ つながる家 素材使いで空間に統一感を

かまくらスタジオ
福井啓介・森川啓介
薪ストーブ

フローリングと造作、什器等はチーク材で揃えている

塗り壁 自然塗料

ソファに使用した革はドアノブをくるむのにも使用して繋がりを持たせている

キッチン

写真奥のドアノブをくるんでいるのがソファと同素材の革

ドアノブ部分アップ

繋がりを意識した空間

『HOUSE F』はつながりということを強く意識して設計した家でした。家の中の空間のつながり、視線のつながり、地域とのつながり、様々なことを意識しました。
ここでは、その中でも素材使いで室内空間のつながり、統一感を生み出した工夫をご紹介したいと思います。
フローリングにチーク材を採用し、それに合わせて家具や造作部分もチーク材を使用しています。また、見切り材(壁と床など仕上げが変わる部分をつないで仕上げるもの)やカバー類には統一して銅素材を採用して統一感を出しました。加えて、少し変わった工夫としては、写真1,2枚目に写っているソファを作成した余り革でドアノブを包み、ソファとつながりを持たせました。(写真4枚目にドアノブのアップあり。)
このように素材に連続性、統一性を持たせたり、オリジナルの手を加えることによって空間のつながりを生みだしたり、住む人が愛着をもてる家を仕上げることができます。

PHOTO: Kouji Fujii _Shinkenchiku-sha

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採用されている製品

ドブレ|有限会社フランシス(薪ストーブ専門サイト)
有限会社フランシス
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ここが私の評価ポイント!
■採用製品:ドブレ
薪ストーブと聞くと、煙やにおいの問題で住宅密集地では採用が難しいように考えられがちですが、ドブレの薪ストーブは煙が内部で循環してすすなどが外に出ず、無臭なので近隣に負担をかけることなく使用できます。また、薪などをくべるための開き口が前面と側面の2か所あり、側面のほうを開ければ灰も飛び出しにくく便利です。薪ストーブ全般において、採用するには、耐火の壁や不燃の下地を採用するなどの準備は必要ですが、ドブレの重量は冷蔵庫くらいのものなので何か特殊な耐荷重の構造などにする必要はありません。 薪ストーブのある生活というのは良いもので、空気調節弁で炎の揺らぎ方の変化を楽しめたり、熾火(おきび/炎は上がっていないが芯の部分が真っ赤で高温の状態)で調理をしたりもできます。薪を燃やしたあとは良質な灰となるので、ご近所にもおすそ分けしてガーデニングなどの土壌改良にも使えます。 私はドブレの薪ストーブをフランシスという会社から購入したのですが、こちらの会社では間伐材を常時用意していて、薪ストーブ購入者は薪の保管用のラックをレンタルすれば、原木自体は無償で自分でカットして保管・乾燥しておくことができ便利です。
採用製品
塗料|Porter's Paints(ポーターズペイント)
株式会社NENGO|Porter's Paints(ポーターズペイント)
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■採用製品:ストーンペイントコース

石英が含まれており、光によって凹凸の陰影が生まれとても質感が良いです。価格は安くはないですが、この風合いが好きな人にはとても愛着が持てる塗り壁材です。内装、外装両方で使え、塗りやすいのでDIYなどでも使用できます。
採用製品
オスモカラー|オスモ
オスモ&エーデル株式会社
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ここが私の評価ポイント!
『HOUSE F』の家具、床など木部はオスモカラーで塗装しました。今まで様々なメーカーをクリアカラーを中心に試しました。その中でオスモさんが一番自然な風合いで耐久性も強いので採用しました。以前別の建物で使用して、経年変化の様子なども把握できており、信頼しています。
採用製品
キッチン|株式会社ミラタップ (旧 サンワカンパニー)
株式会社ミラタップ (旧 サンワカンパニー)
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ここが私の評価ポイント!
■採用製品:グラッド45(W2550)

サンワカンパニーさんのオールステンレスのアイランドキッチンです。デザイン性が高く、大ぶりで使い勝手もよい製品です。他のメーカーのキッチンはシンクのふちにアールがついて(丸みが出て)しまいますが、グラッド45は四隅の角がシャープでスタイリッシュです。また表面の仕上げもバイブレーション仕上げという研磨目のあるものを選択でき、落ち着いた雰囲気かつ傷も目立ちにくいのでおすすめです。『HOUSE F』ではダイニング側に収納のあるプランを選択しました。子供たちが食器を出すなど自然にお手伝いをできる回遊動線になっていて家族で使いやすいキッチンです。
採用製品
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